9、10歳の「プレ思春期」の時期、心を育てる上で大切なのは、自分を肯定的に評価する「自尊感情」と、日々のストレスからの立ち直り力「エゴ・レジリンス」。目白大学心理学部心理カウンセリング学科教授で臨床発達心理士の小野寺敦子先生が、それぞれのキーワードについて教えてくれました。発売中の「AERA with Kids」秋号から一部抜粋します。

MENU ●日本の子どもの自尊感情は10歳がピーク ●「柔軟性」「好奇心」「立ち直り力」が大切 ●小学生の「エゴ・レジリエンス」を高めるポイント

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●日本の子どもの自尊感情は10歳がピーク

 幼少期の子どもは、「自分はすごい!何でもできる!」という万能感を持っています。

「でも、10歳ごろから自分の良い点と悪い点を自覚できるように。学校の勉強も急に難しくなり、いろいろなことに苦手意識を持つようになります」(小野寺先生)。

 そのため、「自分はダメだ」という意識が強くなり、10歳をピークに自尊感情が下がってしまうのです。

「この自尊感情とは、『自分のことが好き』『私は価値のある人間だ』『今の自分に満足している』と思える気持ちのこと。将来前向きに、自信を持って生きるためにも不可欠な感情です」

 しかし、日本の子どもの自尊感情は世界的に見ても低く、アメリカやイギリス、韓国などの7カ国中で最下位だといいます。

「日本の親や先生は、悪い点を指摘することが多いからかもしれません。家庭では、できたことをほめてあげる、失敗しても責めないなど、ありのままの自分を肯定的に受け入れられるような声かけをしてあげて。きょうだいや友達と比較しないことも大切です」。

●「柔軟性」「好奇心」「立ち直り力」が大切

 受験や人間関係など、小学生も日々のストレスは避けられないもの。

「そんな時に必要なのが『エゴ・レジリエンス』。簡単に言えば、頑張る力、めげない力のこと。エゴ・レジリエンスが高い人は、どんな出来事に遭遇しても上手に自我をコントロールし、ストレスを乗り越えることができます」。

 例えば、大切な試合の前は練習を精一杯頑張る、試合が終われば思い切り遊ぶ。逆に過度の緊張状態のときは適度にリラックスする、ダラダラしてしまったら自分に活を入れるなど、「抑制と解放」を上手に調整できるのです。

「必要な要素は三つ。一つの考え方に凝り固まることなく、さまざまな観点から物事を考える『柔軟性』、面白そうだ、やってみようという『好奇心』、落ち込んでも上手に気持ちを切り替えられる『立ち直り力』です」。

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阿部桃子
阿部桃子
NEXTエゴ・レジリエンス高める5つのポイント
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