また、第1志望がチャレンジ校の場合は、そのまま受けさせていいのか悩むご家庭もあると思います。もし全然届きそうになくても、子どもにその学校をどうしても受けたいという意思が明確にあるならば、かなえさせてあげるべきでしょう。その場合は、第2志望以降は現実的なところをきっちりと押さえてください。


 子どもには、「第1志望の学校は絶対受けようね。でも第2が取れないのに第1が取れるわけがないから、まずは第2、第3の対策をバッチリやっていこう」というように気持ちを乗せ、併願校をしっかり押さえることが肝要です。


■やるべきことを淡々と


──本番に向け子どものやる気をどう高めたらいいでしょう。


 最後はやはり、メンタルです。「あと3カ月しかないのに子どもはまるでやる気がない」とヤキモキすることも多いと思いますが、親御さんたちにお願いしたいのは、この時期の子どもを必要以上に責め立てないでください、ということです。


 私はこの時期、疲れて気力がしぼんでいるな、という6年生を教える時は、あえて授業前に雑談を多くしたりします。そうすると土色だった顔色に赤みがさしてきてみるみる元気になったりします。そうしたちょっとしたことでいいんです。子どものストレスを発散させる時間を作ってあげるといいでしょう。


 そもそもやる気は周りの大人が無理やり引き出すものではなく、本人の中から芽生えるものです。やる気がなくてもいいから「今日やるべきことを淡々とやっていく」。これにつきます。ここでいかに寄り添えたかが、残り期間の密度を決めます。


 そのほか、「模試のたびに泣いている」、逆に「模試の結果が悪くても悔しがらないでヘラヘラしている」など、親の心配や悩みも尽きません。たとえ点数が悪いことを悔しがらなくても、これは子どもの性格によるので、一概にそれが良い、悪いとも言えないのです。


 6年生の秋は悩みのピーク。でもここを乗り切れば濃い中学受験になることは間違いありません。


(構成/AERA with Kids編集部)

AERA 2021年11月8日号

親がやるべき受験サポート

佐藤亮子 安浪京子

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AERA編集部
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