安浪先生(右上)と担当編集者の江口さん(右下)、井上さん(左上)、藤沢さん(左下)によるオンラインセミナーは出版社の垣根を越えての開催
安浪先生(右上)と担当編集者の江口さん(右下)、井上さん(左上)、藤沢さん(左下)によるオンラインセミナーは出版社の垣根を越えての開催

 これらの特徴は、拘束時間が長いこと。お弁当持ちで6、7時間というのもザラです。そうすると、家で過去問を解く時間が十分取れなくなり、悩むご家庭が増えます。冠特訓はいいのですが、それ以外の特訓講座では、自分が志望している学校では出題されない問題をやらされることも。もしそうなら、特訓講座を間引いた方がいい場合もあります。  


 また、塾のクラスが荒れてくるのもこの時期の特徴。子どもたちにストレスがたまり、いじめが発生することもあります。


 いじめが原因であるなしにかかわらず、子どもが塾に行くのを嫌がります、という相談も増えてきます。そのようなときは無理させず、休むことを勧めます。


 残りの約3カ月、「これをやればいい」というものはありません。講座を間引く、塾をやめて個別指導に切り替える、など今置かれた状況に合わせながら、細かく打ち手を考えていく必要がある時期です。


──志望校を最終的にどうするか悩ましいです。


 いちばん多いのは、「志望校の合格圏内に届かない」ということです。我々としたら、志望校別の模擬試験を受けてきて、40%の合格率を取ってきたら、「お、40%取ってきたか! 残り3カ月頑張るぞ!」となりますが、親からすると60%でも不安なんですね。


 第1志望はともかく、併願校が決まらない、という悩みも多いです。子どもの希望を聞いていると全部難関になってしまう、というのもありますし、親のほうが「こんな偏差値が下の学校に行かせたくない」と志望校の選択にバイアスがかかってしまう場合もある。


■受験動向の変化に注意


 たいていの塾は第1志望校に応じて併願パッケージを持っていますが、これはあくまで日程を偏差値で組んだもの。子どもに合うか否かは度外視です。特にコロナによって受験の動向も変わり、合格可能性や通学時間など、多角的に「安全志向」が高まりました。塾が提示したパッケージを鵜呑みにせず、わが子に合うプランについてアドバイスをもらいましょう。

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