おすすめポイント
いつも頭にごみ箱をかぶっている風変わりなどろぼう、ジャンボリの存在感が抜群。穴からほんの少しのぞく小さな目や黒々としたひげに子どもは心ひかれ、冒頭からぐいぐい作品の中にひきこまれていきます。

ジャンボリが盗む、書きかけや書きそんじの手紙は、暗号のような絵・文字・模様でいっぱい。一枚、一枚を解読していくのが楽しいです。またジャンボリのかすかな表情の変化が魅力的。ふだん目立たない目が大きく見開かれるページには思わずクスッと笑ってしまいます。
新しい町長がやってきてから、町に漂うなんとも言えない空虚感。モノクロとカラーページが交互に現れて物語全体にリズムを生み出します。そして終盤のカラーページがよりいっそう美しく鮮やかに感じられます。
ひらがなのみで書かれているので5、6歳から読めますが、物語の起承転結やテーマの深さから、年齢を重ねても読みごたえがある作品です。
次のページへどんな子におすすめ?