まず、塾に通う場合、教材などの準備や移動に時間がかかりますよね。また、集団授業のでは、理解できている部分の解説を繰り返し聞いたり、まだ理解できていないのに次の単元に進んでしまったり、ということもある。家で勉強すれば起きてすぐパジャマのまま勉強を始められるし、自分の理解度に合わせてスケジュールの調整もできますからね。時間を有効に使えるんです。
「受験生ファースト」にはしない
――息子さんの1週間のスケジュールには、勉強時間は確保しつつ、遊びの時間やゲームの時間も組み込まれてるんですね。
息子には「塾に行かなければ、移動時間がないぶん毎日ゲームできるよ」と伝えた上で、塾なしの受験勉強をスタートしましたから、この約束は絶対でした(笑)。
他にも費用がおさえられること、子どもが友だちとの成績の比較に悩まなくてすむことなど通塾なしのメリットはいくつもあるのですが、わが家が最も重視したのは「家族の時間が犠牲にならないこと」ですね。長男に中学受験をさせるにあたり妻と僕が決めたのが、家族の時間を犠牲にして受験生を優先する「受験生ファースト」の生活はしないことでした。子どもが塾に通えば、お弁当作りや送迎が必要になるし、ほかの家族とは別の時間に食事を用意する必要も出てきます。僕が小学生のころは、母がそういったことをしてくれていましたが、うちは子どもが8人もいるし、そんな無理をすべきではないと思ったんです。
自走力をきたえ 5・6年生は「ほったらかし」
――塾に行かなければ、勉強を家庭で見る必要があります。その点についてはどのように考えていましたか?
ブログを見て「オトクサって、一体何者だ?」と思っている方も多いようですが、僕は普通の会社員なので、平日は仕事があります。妻は家事や子育てで忙しく、夫婦どちらもつきっきりで勉強を見ることはできません。だから親の関わりは最小限におさえつつ、効率よく勉強をするにはどうすればいいか、あれこれ考えた末にたどりついたのが、ブログのタイトルにもなっている「ほったらかし受験」でした。
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