「ペットを飼いたい!」とお子さんが言ったら、あなたはどうしますか? 空前のペットブームですが、ペットはぬいぐるみやおもちゃではなく、お世話が必要な生き物です。どんな覚悟で飼い始めたらいいのか、真言宗の僧侶であり、心理カウンセラーである塩田妙玄さんにお聞きしました。妙玄さんは三重県の動物保護施設でボランティア活動も行っており、コミックサイト・アサコミでは『お世話させていただきます! 犬猫保護施設の奮闘記』という漫画にもなっています。ふだんからさまざまな動物と触れ合っている妙玄さんは子どもとペットの関係をどう考えているのでしょうか。※後編〈「子どもがペットのウンチを片づけないとき、親はどうすればいい?」 動物保護施設で働く僧侶・塩田妙玄に聞くペットの疑問〉へ続く
【実話を元にしたマンガを読む】病気や障害で飼い主が見つからない…犬猫の保護活動って何をしているの?(全17枚)
「ちゃんとお世話する!」を信じちゃいけません
――今回、妙玄さんのインタビューの前に「AERA with Kids+」の読者さんから質問を募集しました。その中で多かったのは、「ペットを飼うことは、子どもの成長のためになりますか?」「子どもが気軽にペットを飼いたいと言います。もう少し命の大切さを知ってほしいんですが……」という質問です。妙玄さんはどう思いますか?
私の考えをお伝えするまえに、逆に一つ質問してもいいでしょうか。
もしあなたに小学生くらいのお子さんがいて、「ワンちゃん飼いた~い!」と言ったとします。ペットが飼える環境で、「自分も動物は好きだし、飼ってもいいかもしれない」と思っている……そんなとき、あなたはお子さんに何と言いますか?
――え? そうですね……多分「ペットはぬいぐるみじゃないよ。命のある生き物なんだから死ぬまでちゃんと世話をしなくちゃいけないよ。毎日、お散歩につれていける? ウンチの世話もできる?」などと具体的に話して、約束させると思います。
そうですね。多くのご家庭では、みんなそう言って飼い始めています。子どもはもちろん「ちゃんと世話をする!」と真剣に約束します。そこがペットを飼う入り口になるのですが……。
1カ月後、子どもは散歩の時間になってもソファでスマホをいじっています。ママが「散歩に連れて行って」と言っても、「あとでー」。さて、あなたはどうしますか?
次のページへ親が世話をする覚悟を