人気アイドルグループ「モーニング娘。」の初代リーダー務めた中澤裕子さん。テキパキとまわりを引っ張ってくれるイメージは、当時から変わりません。現在、中1の娘さんと小4の息子さんのママでもある中澤さん。「リーダー」としての経験を、子育てにどのように生かされているのか聞いてみました。※後半<中澤裕子が明かす、芸能界入りして疎遠だった「母」と関係を取り戻したきっかけは? 「今がいちばん、母と仲がいいんです」>に続く
中澤裕子さんの手作りお弁当はこちら年齢はちがっても、スタートはみんな同じ「ゼロ」から
――モーニング娘。の発足時は、いちばん年上で、社会人の経験もある中澤さんが初代リーダーに選ばれました。どんなことが大変でしたか?
デビューしたとき、私は24歳で最年少のメンバーは中学生でした。こう見ると皆さん、社会人経験のある私がグループをまとめていくように思われたかもしれないのですが……。実は、私がほかのメンバーより飛びぬけてなにかができる、ということは一つもなかったんです。
というのも、私が社会人として働いていた世界と、芸能界という世界はまったく違う世界。朝だろうが夜だろうが「おはようございます」という、挨拶のしかた一つとっても、すべてが初めてでした。
ですから、年齢の幅があってもスタートはみんな同じ。ゼロからのスタートだったんです。私がみんなより多く知っていることも、教えられることもなにもなかったんですね。
――「姉御」として、ほかのメンバーを引っ張っていらしたのかと思っていました。
私がいちばん年上なので、インタビューなどで答えを振られることは多かったかもしれません。でも、「リーダーだからついてきて!」という気持ち全くありませんでした。そもそも、私も当時のマネージャーさんからよく注意されていたんです。「中澤、それ違うぞ」「中澤、ちゃんと挨拶しろ」……。同期のメンバーを引っ張るどころか、私も教わりながら学んできたんです。
この仕事は「即実践」。そこが子育てと共通しています
――現在、中1の娘さんと小4の息子さんのママでもあります。当時の経験は、子育てにも生きていますか?
私は、会社員生活を6年弱くらい経験しているんです。会社では入社当初「研修期間」がありました。新入社員が集まって会社の理念から電話の対応まで、さまざまなことを学ぶのです。それがベースとなって「こういうことから仕事って始まるんだ」という気持ちになれました。
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