――もちろん叱ります、約束違反ですから。そして子どもにちゃんと散歩に行かせます。
子どもはイヤな顔をして、スマホを見ながら散歩するかもしれません。犬のウンチなんて触りたくない、くさくてイヤだと思っているかもしれない。犬の顔も見ないかもしれない。そんな散歩でもいいですか?
――それは……よくないです。ペットがかわいそうです。
そうですよね。
大前提として知ってほしいのは、子どもに病気を見つけたり、病院に連れていったりするなど、ペットの世話はできない、ということです。また基本的に子どもも忙しいんです。学校があって、宿題も塾も習い事もある。友だちとも遊ぶし、スマホも見るしゲームもする。まずは「世話はできない」と思ったほうがいいんです。
では誰がやるのか、基本的には親御さんです。ここを間違えてはいけません。
「最後まで責任を持って飼う」ことが想像できるか
――ペットを飼うなら、親が世話をする覚悟が必要だということですね。
そうです。子どもの年齢が上がれば上がるほど、部活や受験でますます忙しくなります。親が世話できない状況であれば、どんなに頼まれても飼うことはできないと思います。
――子どもが世話をしなくても、家にペットがいてくれるだけで情操教育になるのでしょうか。
そうとも限りません。生き物が苦手な子、興味のない子もいますからね。
最初はぬいぐるみみたいで「かわいい!」と思っても、その気持ちが長続きするとは限らないのです。
でも、だからといって「うちの子は冷たい」ということじゃないんですよ。動物が苦手でも、人に対して深い愛情を持つ人もいます。そこは間違えないでください。
――ペットが都合よく、子どもの教育になるなんて思わない方がいいということですね。
目的が「教育」の場合、思惑が外れたときにそのペットはどうなりますか?
飼い始めてしばらくしてから病気や障害がわかるケースもありますし、そうでなくても、育てている中でケガすることもあるし、病気にもなることもあります。
それでも飼いたいと思えるかどうか、親御さんが自分に問いかけることが大切だと思います。
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