首都圏に300校以上ある中高一貫校。わが子に合った志望校を選ぶためには、教育方針や校風、進路実績など、それぞれの学校の特徴をよく把握することが大切です。偏差値だけではわからない学校の強みを知るために、首都圏の中高一貫校をさまざまな視点から評価したランキングを見てみましょう。本稿では、探究学習に力を入れている学校のランキングを紹介します。
【ランキング】探究学習に力を入れている中高一貫校はこちら(全2枚)「探究学習」とは、自ら答えを導き出す主体的な学習
かつてから中高一貫校が力を入れていて、近年では公立校でも取り入れられるようになっている教育が「探究学習」です。探究学習とは、教師が生徒に一方的に知識を教え込むのではなく、生徒が自ら問いや仮説を立て、必要な情報を集めて整理や分析を行ったり、生徒同士や教師など周囲の人と意見交換したりしながら、自分なりの答えを導き出す主体的な学習を指します。学習の成果はスライドを使ったプレゼンテーション形式などで発表され、人前で自分の意見を話す機会にもなっています。
探究学習は、学習指導要領の改訂で2002年度から「総合的な学習の時間」として順次実施され、2022年度には高校での名称が「総合的な探究の時間」に変更されました。また同年、高校課程の教科の中に「古典探究」「世界史探究」「理数探究」など六つの探究科目が新設されるなど、探究学習は近年ますます重視されています。
「将来、子どもたちが実社会に出てから直面するさまざまな問題に自分の力で立ち向かい、解決していくための『生きる力』を養うことを目的にしているのが探究学習です。私立校の多くでは指導要領に導入される以前から、それぞれの建学の精神に基づいた理念のもと、探究学習のような生徒の自主性を伸ばす創造的な教育実践が行われてきました」(大学通信情報編集部の大野香代子さん)
そこで今回は、「中学受験のプロ」である首都圏の学習塾に「探究学習に力を入れている中高一貫校」についてアンケート調査を行い、303学習塾の塾長、教室長の回答から作成したランキングを紹介します(2024年、大学通信調べ。学校名を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計)。
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