ただ、その「あだ名」が本当にかわいいと思っているのかどうか。どこかにからかいの気持ちがあったり、相手が好ましく思わないことを察していたりしながらも呼んだあだ名なのか。大人から指摘されたとき、瞬時にその雰囲気を察知して言い訳として「かわいいと思っている」という場合もあります。中高学年なら、物事の見通しも立てられるようになるので、とっさにそのようなことを言ってしまう場合もあるでしょう。
内容を聞かないとわかりませんが、ここはあくまで「事実確認」です。そのあと、たとえば「なるほど、そういう由来なのね。でも、お母さんはそんなふうに言われたらあまりうれしくないかな。あなたはどう思う?」「もしあなたがそう呼ばれたらどう?」と聞いてみるのもいいかなと思います。本人に考えてもらうのです。
もしかすると、いつか逆の立場になってしまうことがあるかもしれません。子どもを守るという意味で、「いつか自分がイヤなことをされた」ときには、どうのように対応したらよいか、親子で具体的に話し合っておくとよいと思います。
(取材・文/三宅智佳)
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