子ども同士の友人関係は思いもよらぬところからトラブルが起きがち。親もどこまで介入していいのか、悩みどころです。そこで、小学生の保護者から実際に寄せられた「お悩み」に、『心が軽くなる友だち関係』(ポプラ社)を出版した埼玉学園大学大学院 心理学研究科教授の藤枝静暁先生にアドバイスを聞きました。

お説教でも問い詰めるでもなく、「事実確認」をしましょう

――相手が嫌がっていることに気づかない、ということは子どもに多くありそうですが……。

 お子さんの学年がわからないのでなんとも言えないのですが、まず、親御さんが「傷つきやすい子どもと、そうでない子が一緒に遊んでいたら、その場のノリでやっていることがいじめになってしまうのではないか」と考えておられることが素晴らしいなと思います。親御さんのこういう「気づき」は、いじめの予防にとても大切です。

 このような場合、学年によって状況が変わってきます。今回は、小学校中高学年のケースでお話します。

 3、4年生のお子さんなら、親子で話してみましょう。その際、Bちゃんのお母さんから「Bちゃんがいじめられたと感じている」と聞いたことを前提に、「あの言い方はよくない」「あの言い方はやめなさい」とお説教するのはおすすめしません。「お母さんはそばで聞いていてこんなふうに感じたんだけど、あなたはどう?」と率直に聞いてみるのです。お子さんの反応にもよりますが、もし気がついていないようでしたら、「お母さんはそばで聞いていて、もしかしたらBちゃんのことをからかっているように聞こえるところがあって、気になったんだ」という、あくまで親御さんの「感想」を伝えてみてください。親子でお互いに思ったことを話すことで、「自分は気がつかなかったけど、他の人はそう思うんだ」という他者の考えや気持ちに気づくきっかけになります。

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三宅智佳
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