イギリスの喜劇王・チャプリンも「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」と言っていたけど、その人にとっては残念なことでも遠くから見ると面白く見えることってあるよね。

 ほかにも、思いっきり転んでリアクションするとか、すごくヘンな顔をするとか、ダジャレや言葉の掛け合わせとか、いろいろな「面白い」があるよね。面白い都市伝説を話す人もいるし、漫画で表現する人もいる。

 自分の「面白い」を探すために、まずは面白いと感じたことをノートに書き留めてみたらどうかな? 面白いと感じることっていろんなところに潜んでいるから、ネタ作りのヒントになるかもしれないよ。

「三拍子」っていう漫才コンビのボケを担当する高倉陵くんは、いろんな場所に行っていろんなものを見て、それをいろんな人にしゃべってみることで、ネタを面白くする工夫をしているみたい。周りの人にしゃべってみて、相手の反応によってしゃべり方を変えてみるんだって。聞かせたい一言を言う前にちょっと間をおいて言ってみるとか、言い方を変えてみるとか、しゃべりの技術もいろいろあるんだよね!

いろいろな芸風を試して自分のスタイルを探そう

 自分の面白いを探すのが難しかったら、まずは芸人のネタをまねてみるのもいいかも! よしおも小学生のころは、テレビで見たキャラのものまねをよくしていたなあ。見るのとやるのでは全然違うから、一度自分でやってみることが大事かもしれないね。

 お笑いのネタって、“自分との相性”があると思うんだ。ゲームでいえば、武器と主人公の相性みたいな感じかな。剣を使うことで攻撃力が上がるキャラがいれば、ムチを使うのが得意なキャラもいる。呪文や素手が得意なやつもいるよね。

 よしおはパンツ一丁で「そんなの関係ねぇ!」っていう芸風になるまで、いろんなネタを試した。フリップ芸とか漫談とか、いろいろやった。ピン芸人になったばかりのころは、劇団ひとりさんの世界観を作り上げるような一人コントに憧れてチャレンジしてみたこともあるんだ。超スベったけど……(苦笑)。でも、いろいろやったからこそ今のスタイルにたどり着けたのかな、って思う。

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