佐藤:とはいえ東京って学校の数が多いからいいですよね。関西は偏差値順に縦に並んでいる感じだからあまり受験の選択のバリエーションがないんですよ。関東はいろいろな学校があるじゃないですか。それはやっぱりいいなと思ったりします。

安浪:あと、関西と関東が違うなって思うのが、関西で合格するのは、ほぼ学力順です。もちろん当日のメンタルやコンディションの影響も大きいですが、それは全国共通ですよね。それに対し、関東は読めないところがあります。なぜこの子が落ちたんだろう、というケースもあれば、逆にミラクル合格のケースも結構あります。
佐藤:それはどういう理由なんですか?
安浪:入試問題との相性もあるし、偏差値や学校のブランド力と問題の質が連動していないケースもあります。関西は入試問題にそんなにバリエーションはないですが、関東は、学校によって問題が本当にさまざまです。
佐藤:確かに関東は記述式の問題が多いですよね。関西はあまりないような気がします。
安浪:そうなんです。関東は算数でも記述させる学校が増えています。さらに、塾のテキストでは対策できない面白い問題もあります。「定規を使わずに半径3センチの円を書きなさい」みたいな問題とか。
佐藤:それって個性を出したいんでしょうか。でも対策しづらいですよね。関西みたいに学力重視だったら、塾のテキストをひたすら解けるように頑張っていけばいいので。
安浪:だからもう、過去問やって慣れていくしかなくて。あとは結局は運、というところも正直あります。
佐藤:確かに運になりますね。
安浪:とはいえ、しっかり問題を作り込んでいる学校に運はあまり関係ないです。特に伝統校の多くは毎年あまり問題の質は変わりませんね。ほしい生徒像が明確にあるので、それに沿った出題をします。逆に、とにかく生徒を確保したいということで、新しい入試形態をウリにしたり、リニューアル共学校のような新興校は問題の質の振れ幅が大きいです。まあ、特殊な問題以外をちゃんと正解させていけばいいんですけどね。
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