我が家では受験のときに、ホワイトボードを買いました。私が息子に教えることもありましたが、逆も結構ありました。ややこしい売買損益、峠算や時計算など、息子は私に説明することでしっかりと理解したようでした。実際、「人に教える」という方法は、自分の知識を定着させるのに良い方法であることがわかっています。そして何より、親と一緒に学ぶという安心感と愛情。受験という孤独なレースを、伴走するのです。
私も模試の問題や過去問をずいぶん解きましたが、中学受験で名の通っている大手学習塾の問題は、どれも本当に難しいんです。満点なんて決して取れません。自分が解いていれば、成績が悪くても「今回の問題、難しかったね」と言えるし、成績がいい時には心から「よく解けたね!」と褒めることができるものです。この「心から」という部分がとても大切です。子どもはおざなりな言葉はすぐに見抜きますから。
また、子どもが様々な能力を獲得するのは模倣の力が大きいといわれています。そのため、親が頑張っている姿を見ると、子どももつい頑張ってしまう。逆もしかりです。親子で真剣に受験に取り組めば、どんな結果になってもその間の「努力」を認められます。結果の偏差値だけみて怒ることなど、どんどんなくなっていきます。
本当はすごい早生まれ
瀧靖之


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