よしおが記念日とか特別な日に行く、うかい亭っていうレストランがあるんだ。そのお店をつくったうかいさんは「利は人の喜びの陰にあり」という言葉を会社の理念として掲げている。まずは人に喜んでもらえるサービスを提供して、利益、つまりお金はあとからついてくるっていう意味。よしおはこの言葉が大好きなんだ。お金を稼ぐってことの前に、人に喜んでもらうことが大事なんだな、って考えたよ。

 そして人に喜んでもらうってことは、ただ単に相手がうれしいことをするだけではなく、相手が嫌がることや困っていることを解決することもそのなかに含まれるよね。たとえば、お掃除や家事が苦手な人がいるけど、お手伝いさんや清掃員さんがお金を払うとやってくれるよね。お金を稼ぐことは、人に喜んでもらうこと、人の困りごとを解決することが原点にあるんじゃないかな。

小学生の発案が商品化!

 ただ、実際にお金を稼ぐとなると、喜んでもらうこと・困りごとを解決することにプラスして、「まだ商品にはなっていないこと」も大事なポイントだと思うんだ。もう商品になっていたら、競合がたくさんいてたくさんのお金を稼ぐことは難しいからね。

 てるくんと同じ小学生が「まだ商品になっていないこと」に目をつけて発案した「さんぽセル」って知っているかな? 「ランドセルが重すぎる」という困りごとを解決するために、「それならランドセルをキャリーバッグのように運べばいいんじゃない?」というアイデアで生まれた商品なんだって。

 すぐにお金を稼ぐことは難しいかもしれないけど、将来のために「人が喜んでくれることはなんだろう?」「いま誰かが困っていることはなんだろう?」って今からいろんな場面で考えてみるのはおすすめだよ。

 そしてすぐに利益にはつながらないかもだけど、それを実際に行動にうつすのもすごくいい勉強になると思う。たとえば、嫌がる子が多い学校の掃除。どこを掃除したら人は喜ぶかな? どうやって掃除したら困ったことが解決されるのかな?って考えながら掃除すると新しい視点が手に入るかもね。

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