とてもつらそうな子どもの表情に気づいた
今年度、小学2年生を担任しているのですが、10数年ぶりに連絡帳を朝に書かせるのをやめました。理由は、朝イチに連絡帳を子どもに書かせるのは結局、子どものためというよりも、担任としての自分自身のためが大きいのではないかと考え直したからです。
2年生の子どもたちは、朝、登校すると、教室で友達や私と楽しそうにおしゃべりをたくさんします。重たいランドセルを背負ったまま、ずっとおしゃべりをしている子どももいます。可愛いらしいな、と思いながらも「早くランドセルを片づけて!」「早く連絡帳を書いて!」と声を荒げてしまうこともありました。朝イチ、連絡帳を開いて、鉛筆を持って、文字を書くことに対して、とてもつらそうな表情をする子どもがいることに気がつきました。
そして、思い切って2学期初日に、「今日から朝イチで連絡帳を書かなくてもいいよ!」と子どもたちに言いました。子どもたちは、驚き喜びました。2学期からは、さらに楽しそうにおしゃべりする子どもたちの姿が見られるようになりました。私も子どもたちと今まで以上に、ゆったりと朝を過ごすことができるようになりました。学校は勉強するためだけの場所ではないと、改めて気づけました。
いまは、授業時間内に連絡帳を書いています。朝イチで書くよりも、授業時間に書くほうが面倒くさがる子や嫌がる子がずいぶん減りました。授業でノートに黒板の文字を書き写すのと同じ感覚で、連絡帳を書き写しています。
担任としては、連絡帳を書かせ忘れないように工夫をしています。教室後ろの黒板にその日1日の時間割と授業内容を書いているのですが、そこに「連絡帳」と書いてマグネットシートを貼るようにしています。
連絡帳もいまやタブレットの時代
小学校で毎日、子どもたちが書く連絡帳が少しずつ変わってきています。昭和・平成は、ノートに書いていました。しかし、最近はノート代わりに“パソコンやタブレット”などの端末を1人1台持たせて活用している小学校もあります。学校のパソコンやタブレットは起動にとても時間がかかることや重たいことや、充電アダプターを考慮して、私は従来の連絡帳に書かせています。
連絡帳を書くタイミングも、「自分の都合のいいタイミングで、帰りまでに書いて出してね」と言って、子ども一人ひとりの自主性に任せることもできます。でも、そうすると、書かない子どもも出てくるかもしれない……など、試行錯誤は続いています。
(文/松下隼司)