「やるとすれば基礎的な内容になるでしょう。ペーパーテストに加えて、コンピューターを活用したCBT試験もできないかと、社内で可能性を探っているところです」(首都圏模試センター・北さん)。

御三家の「英語入試」導入は?

 豊島岡女子学園や慶應義塾湘南藤沢など、いくつかの難関校で英語入試を取り入れているものの、御三家では導入の動きはまだ見られない。首都圏模試センターの北さんはこう話す。

「御三家で本格的に英語を実施するとなると、受験生の負荷がさらに重くなります。これ以上、受験生の負担を増やしたくないと配慮しているのでは」

英語入試に関して、栄光ゼミナールの藤田さんは次のようにアドバイスする。

「将来の可能性を伸ばすという観点から、英語を学習するのはいいことだと思います。ただ、入試のために新たに英語の学習を始めるのは負担が大きく、ほかの4科の学習へ影響を及ぼしてしまいます。中学受験では、4科をまずしっかりと勉強することが重要で、英語は語学力を上げる目的で、習い事としてとらえたほうがいいでしょう」

 ここ数年、実施校はほぼ横ばいで推移しているものの、これだけ社会のニーズが高まってくると、今後増えてくる可能性はある。中学受験への影響はあるのだろうか。

「ある保護者から、受験が押し迫った1月に『塾に通ったことはないが、娘を私立に入れたい』と、相談されたことがありました。話を聞くと、英検2級を保持しているとのこと。そのスコアで入れる学校を紹介しました。中学入試の間口を広げるという点では、良いことだと思います」(北さん)

 子どもが英検などの資格を持っていたら、受験に生かせないか、志望校の募集要項を調べてみるのも手だ。

(取材・文/柿崎明子)

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ライター 柿崎明子
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