江戸川学園取手が初めて5教科入試を実施
英語入試には、大きく分けて2パターンある。試験会場で実際に入試問題を解く形式と、英検などの資格やスコアを事前に申請することで、加点をもらえるタイプだ。
英語はほとんどが選択制だが、江戸川学園取手は22年度入試から英語を加えた5科目型入試を実施。中学入試で英語を必須とするのは、私立中高一貫校としては日本初の試みだった。
「リスニングのみの20分間で、出題は小学校で使用する文部科学省認定教科書の範囲内。内容はやさしかったですが、今後の英語の重要性を踏まえて『小学校できちんと英語を勉強して欲しい』という、意思表示だと感じました」(北さん)
また、北さんによると、実施する学校によって、英語の難易度はかなり開きがあるという。
「慶應義塾湘南藤沢は、英検準1級を持っていても落ちることがあるそうです。帰国生以外の英語入試では最難関だと思います。今年実施される豊島岡女子学園の算数1科+英語資格入試も、おそらく同レベルの受験生が志願するのではないでしょうか」
三田国際学園(25年から三田国際科学学園)、広尾学園、サレジアン国際学園などのグローバル系のコースもハイレベルの問題を出題したり、高いスコアを要求したりしている。
中堅クラスの学校だと、英検の3級を持っていれば通用するようだ。ただし内容は「年々難しくなっている」(北さん)という。
広がる英語の早期教育
英語入試が増えた背景には、小学生の習い事として英語が広まった事情もある。栄光ゼミナール入試情報センターの藤田利通さんはこう話す。
「英語の必要性を感じて、早い時期から我が子に英語を習わせている保護者が多い印象ですね。私が担当している中学受験のクラスで、『英語を習った経験がある』か尋ねると、多くの生徒が手をあげます。習った生徒のうち、英検3級まで取っている子も少なくないようです」
首都圏で模試を実施している首都圏模試センターには、親や塾から「英語の模試を導入してほしい」という要望がくるという。
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