1)キャッシュレスも大事な「お金」であることを繰り返し説明する
一度説明しただけだと忘れてしまうので、キャッシュレス決済も「お金」であることを何度も繰り返し説明することが必要です。実際に、うちの下の子どもが低学年の頃、キャッシュレスの仕組みをしっかり教えたはずだったのに、ずいぶん経ってから「こんな薄いところにお金が入っているわけがない」と言ってきて、「ええっ、ちゃんと教えたでしょう!?」ということがありました(笑)。
カードタイプの電子マネーを落としてしまう子どもがけっこういるようです。現金なら子どもでも大事なものを落としたという感覚がありますが、キャッシュレスだとその意識が薄いんですね。お金の重みを感じないからこそ、キャッシュレスだとコンビニで気軽に友達におごってしまう子もいます。キャッシュレス決済のお金も現金と同様に、大人が働いて得たものだから大事に使う、という当たり前のことを折に触れて話すのも大切だと思います。
2)プリペイド型で使いすぎを防止
「Suica」や「PASMO」に代表される地域ごとの交通系電子マネー、「WAON」や「nanaco」などの流通系電子マネー、「PayPay」のようなQRコード決済型などいろいろありますが、地域やご家庭の状況に合わせて使いやすいものを選べばいいと思います。
重要なのは、どのサービスを選んでも、プリペイド(前払い)型にすることです。オートチャージ機能があったとしても、チャージした分だけ使える設定にしておきましょう。小学生は、まだ予算管理が身についているとは言えないので、使いすぎてしまうリスクがあるからです。
キャッシュレス決済は、際限なく使える「打ち出の小槌」ではありません。それを理解させるためにも、チャージした分がなくなったら現金を渡して、1000円、2000円をチャージするという形を取ると、現金が形を変えてデータになってカードやスマホに入っていくことが実感できると思います。
3)使い方のルールを決める
何に使っていいのか、どこまでは認めるのかという、キャッシュレス決済のルールを決めておくことですね。我が家では、上の子が小学生の頃、サッカークラブへの行き帰りの交通費に電子マネーを使っていましたが、子どもには「もし交通費以外に使うときは親に言うこと」と決めていました。絶対にモノを買ってはダメではないけれど、交通費のつもりでチャージしているので何でも買っていいわけでもないよ、というのはよく言っていましたね。
4)子どもの金銭感覚が育つまでは利用履歴をチェック
「マネーフォワード」などの資産管理アプリを使っているなら、子どもが使用するキャッシュレス決済サービスと連携させて利用履歴を見ることができます。交通系の電子マネーなら、駅でチャージをする際に使用履歴の一覧を印字するとよいでしょう。細かくチェックするというよりは、高額なものを買ったり不審な使い方をしたりしていないかを、緩く見ておく感じですね。
そのうち、子どもの金銭感覚が養われてきます。「キャッシュレスでもお金は有限」「親が働いて得たお金だから勝手に何でもどんどん使っていいわけじゃない」ということがしっかり理解できて、親が「この子はもう大丈夫」と思えるようになったら、そこからは子どもに使い方を任せてよいのではないでしょうか。
(取材・文/肥後紀子)