親の言うことをよく聞き、友だちとも仲よくしている――。一見、何の問題もなさそうに見える「いい子」。しかし、実は周囲に合わせすぎることで自分を抑え込み、心にストレスを抱えている状態かもしれません。小児精神科の古荘純一さんは、そのような状態を「過剰適応」と呼んでいます。子どもの「過剰適応」に気づかずそのまま放っておくと、どのようなリスクがあるのでしょうか。親が心がけたいこととは? 古荘さんに聞きました。※<前編>「手がかからない「いい子」に見えるが、周りの空気を読みすぎて心が疲れている…子どもの「過剰適応」とは?」から続く

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子どもの「過剰適応」は10歳までの対処が大切

「過剰適応」は10歳までに親が気づいて対応しておくことが必要です。なぜなら、子どもの自己肯定感は、自分を客観視できるようになる8~10歳に下がる傾向にあるからです。また、適応しすぎる子はもともと自己肯定感が低いと考えられるため、つらさを内面に抱え込みやすいタイプの場合、将来的に心の病になるリスクがぐんと上がるのです。例えば、次のようなものです。

・抑うつ症状/うつ病
・摂食障害(過食症、拒食症)
・不登校・引きこもり/適応反応症
・不安症 など

心の病の一歩手前「SOSサイン」をチェック!

 子どもの「過剰適応」の兆候を見逃し、放置し続けてしまうと、子どもは次のような「SOSサイン」を出すようになります。このような行動が見られたら、心の病にかかる一歩手前かもしれません。

・最近、以前に比べて乱暴になった
・暴言を吐くようになった(「ばか」「死んじゃえばいい」など)
・否定的なことをよく言う(「どうせ…○○なんて」など)
・勉強に関心を示さなくなった、宿題もしない
・イライラする、かんしゃくを起こす
・口数が減った、質問しても答えない 

 このような行動が見られたら、スクールカウンセラーや担任の先生、小児科医に相談するなど、すぐに対応する必要があるでしょう。

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