世の中では、急速にキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレス決済をどのように子どもに教えればよいのか、あるいはいつから子どもに使わせるべきか、気になっているご家庭も多いのでは? 親子向けのマネー教育講座「キッズ・マネー・ステーション」を運営する、ファイナンシャルプランナーの八木陽子さんにお話を聞きました。

MENU まず現金について知ることが優先 キャッシュレスは「データのお金」 子どもの金銭感覚を狂わせない4つのルール

まず現金について知ることが優先

――今の時代、小学生のうちからキャッシュレス決済を使えるようにすべきですか?

 基本的には、小学生の間は現金でよいと思います。小学生のうちは、キャッシュレス決済よりもまず現金を通してお金について知ることが重要だからです。現金だと、お金が減っていくのが目に見えてわかりますし、10円玉が10枚あると100円になるんだという数字やお金の感覚が体感できるんですね。文字通りお金の重みも伝わりますし、お金を最初に学ぶにあたって現金から入るメリットは非常に大きいと思います。

 もちろん、塾や習い事への行き帰りの交通費の支払いなどで、すでにキャッシュレス決済を使っているお子さんもいるでしょう。その場合は、キャッシュレス決済の正しい使い方を覚えていけばいいと思います。

キャッシュレスは「データのお金」

――そもそも、現金とキャッシュレス決済の違いを、子どもにはどのように教えればよいでしょうか?

 「キッズ・マネー・ステーション」のマネー教育講座では、キャッシュレスを「データのお金」と呼んでいて、「データのお金も目に見える現金も、同じお金なんだよ」と説明しています。

 では、「データのお金」とは何かというと、写真を例に説明すると子どもにはわかりやすいと思います。スタジオで撮ってプリントアウトした写真があって、スマホの中にも同じ写真がデータとしてある。お金もそれと似ていて、日本銀行(国立印刷局)が刷ったお札や造幣局が作ったコインのように触れるお金もあれば、スマホやカードなどの中に入っているお金もある、という感じですね。

子どもの金銭感覚を狂わせない4つのルール

――子どもにキャッシュレス決済を使わせる際、親が気をつけるべきポイントはありますか。

 次の4つをおさえておくとよいでしょう。

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肥後紀子
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