おこづかいを「お手伝いの報酬として渡している」というご家庭もあるでしょう。その場合、どのようなお手伝いが適しているのか。金額の設定はどうするべきか。そもそも、お手伝いとおこづかいを結び付けるのは正しいのか? いろいろ気になる「お手伝い」と「おこづかい」の関係について、親子向けのマネー教育講座「キッズ・マネー・ステーション」を運営する八木陽子さんに聞きました。

MENU 「定額制」「報酬制」「ミックス制」ベストなおこづかい制度は? 「報酬制」なら、おこづかいでお手伝いを習慣化できるメリットも お手伝いの内容とおこづかいの金額、どうやって決める? おこづかいがないと、お手伝いをしなくなるのでは?

「定額制」「報酬制」「ミックス制」ベストなおこづかい制度は?

――まず、おこづかいのやり方にはどのような種類があるか、教えてください。

 一般的なのは次の3種類です。まず、毎月あるいは毎週、決まった金額を渡す「定額制」。2つめが、お手伝いなど何らかの条件をクリアしたらおこづかいをあげるという「報酬制」。そして3つめは、「定額制」と「報酬制」を合わせた「ミックス制」です。固定給+歩合のようなイメージで、たとえば毎月必ず500円は渡して、残りは上限を設けた上で、お手伝いの回数を重ねたらその分を上乗せしていくというやり方です。

 いずれの場合も、おこづかいの総額は大きく変わらないようにします。おこづかいの金額自体は、ご家庭の考え方とお子さんの学年に応じて決めていくのがよいでしょう。

――3つのおこづかいの方法のうち、どれを選ぶのがもっともよいのでしょうか?

 どれがおすすめでどれはよくないというのは、特にはありません。ご家庭の考え方に合った方法を選ぶことが重要だと思います。

 たとえば、「報酬制」はなんとなくイヤだというご家庭は、けっこう多いんですね。「お手伝いをしたらお金をあげる」というやり方が、馬の鼻先にニンジンをぶら下げて走らせるようで嫌悪感があるということです。逆に、保護者の方から「『働くからお金がもらえる』のが世の中の仕組みなのに、なぜおこづかいは決まった金額をただ渡すんですか?」と聞かれたこともあります。

 価値観や考え方は人それぞれなので、自分たちが受け入れられないおこづかいの渡し方では、うまく続いていきません。ご家族で話し合って、納得できる方法に決めましょう。

次のページへ親にこだわりがない場合は、どう決める?
著者 開く閉じる
肥後紀子
肥後紀子
1 2 3