子どもが「算数が得意!」と自信を持てるようになるには、テストで高得点を取るのが一番ですよね。では、そのためにも必ず身につけておきたい「習慣」とはなんでしょうか? 算数学習の専門家・今木智隆さんは、東大入試数学の攻略法でも使われるというあるテクニックで、子どもの「手ごたえ」が確実に変わるといいます。今木さんの著書『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法』(文響社)からお届けします。

MENU できる子は必ず検算をしている 検算をするだけで確実に偏差値は上がる 取れる点を確実に取ることが自信につながる

できる子は必ず検算をしている

 検算というと、お子さんも親御さんも、 「試験の時間が余ったら念のためにしておくもの」くらいに考えている方が多いのですが、これはまったくの間違いです。

 学習ビッグデータを読み解くと、算数が得意な子は必ず検算をしている一方で、苦手な子はたいていの場合していません。検算の習慣があるかないかが得意と苦手を分けていると言ってもいいくらいです。偏差値でいうと10くらい、テストの点数にして10~15点変わってきます。

 子どもであれ大人であれ、どんなに計算が得意でも人間である以上は必ずミスを起こします。高学年になって、四則混合、あるいは分数・小数などを含む長くて複雑な計算になればなおさらです。足し算とかけ算の順番を逆にしてしまうかもしれませんし、分数をひっくり返すのをうっかり忘れるかもしれません。

 検算の習慣が身についていれば、こうしたケアレスミスを防ぐことができます。「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、当たり前のことであるからこそ見落とされがちなのです。

 塾に通っても検算をするようにと口酸っぱく指導する講師はいませんし、学校の先生や親御さんも意識して教えることはありません。検算の重要性は、算数という教科の中で一種の盲点のようになっているのです。

次のページへ取れる点を確実に取る
著者 開く閉じる
今木 智隆
今木 智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザ行動調査・デジタルマーケティング領域専門特化型コンサルティングファームのビービット入社。金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。 タブレットを利用した小学生の算数の学習教材「RISU算数」で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。

1 2 3