成績を伸ばすために勉強を優先させると、睡眠時間がどんどん削られてしまう――。そんな悩みを持つ親御さんも多いでしょう。タブレットを利用した小学生の算数学習教材で、のべ30億件のデータを収集している「RISU」によると、全国トップレベルの成績をあげる子どもたちは「健康的な生活リズム」がしっかり身についていることが分かったといいます。RISU代表の今木智隆さんの著書『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法』(文響社)からお届けします。
【表】学力の高い家庭がやっている生活習慣はこちら小学生の睡眠時間が足りていない
近年、各種調査が、習い事の増加やスマートフォンの普及などの影響で、小学生の夜型化が進行していると報告しています。学研教育総合研究所の2021年の調査によれば、小学生全学年の平均就寝時刻は21時40分。学年が上がるにつれて就寝時刻は遅くなり、22時以降に就寝する子どもの割合は、小学5年生で47%、小学6年生で55%にもなります。
就寝時刻が遅くなる一方で、小学生全体の平均起床時刻は6時39分で以前と大きくは変わっていません。つまり、日本の小学生の平均睡眠時間は徐々に短くなってきているということです。全体の平均としては9時間を切るくらいで、高学年になるともっと短くなります。
RISU(タブレット教材による無学年制のオンライン学習を通じて、日米をはじめとする全世界の小学生から30億件を超える膨大な情報を収集)の学習ビッグデータも同様の傾向を示しています。とりわけ2020年のコロナ禍以降、子どもたちの生活の夜型化が進行し、それに伴って睡眠時間は激減しています。
そのような中、アメリカ国立睡眠財団は、 「小学生に必要な睡眠時間は9〜11時間である」という研究結果を報告しています。それを下回ると、心身の健康が保てなくなるというのです。つまり、現在の日本の小学生は、基本的に睡眠時間が足りていないのですね。
トップレベルの子どもの算数の学習時間は1日たった15分
私たちが全国トップレベルのRISU受講生の学習ビッグデータを分析したところ、算数の1日の平均勉強時間が約15分ということが判明しました。
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