偏差値にこだわらず、「この学校が良いと思っていたけれど、あっちの学校も良いな」という感覚を大切にしながらも、入学時点で「仕方がないからこの学校に進学する」という生徒が一人もいなくなったら、僕もこの仕事から身を引いてもいいかな、と思っているけれど、なかなか実現しないね、というところですね。
たとえうまくいかなくても、頑張ることに絶対に意味がある
山﨑 一方で、「塾生全員、第1志望合格」ということを言わなくなったら終わりだな、という気持ちも僕にはあって。
茂山 その気持ちもよくわかります。
山﨑 僕が18歳で一浪した際、なにも吐くものがないのに吐き気がするほどの感覚を味わったのに、あれを12歳の子どもに味わわせるなんて、罪つくりな仕事だなと思うことはあります。
でも、手が届くか届かないかわからなくともジャンプをし、引っかかりそうでもなかなか引っかからないから、ときには無理もしてみる。そんな経験、大人になったらなかなかできないから、あえて挑んでみることの重要性も感じます。たとえうまくいかなくたって、頑張ってみることに絶対に意味がある。だからこそ、僕は青臭いまま、何歳になってもこのままのテンションで彼らの近くにいたい、という気持ちがありますね。
(聞き手・構成/古谷ゆう子)
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