その学校に通う自分がイメージできるか
矢萩:そのためには僕はいつも学校説明会だとか、何かイベントに行ったときは複数の先生と話をしてください、と言っています。校長先生や広報の先生の話を聞くだけでなく、そのへんに立っている先生にトイレの場所を聞くだけでもいいので、ちょっと声をかけてみて、違和感がないか、フレンドリーに話せるかどうか体感してみるといいです。お父さんお母さんが話して、何かかたいな、とか、何か違和感がある受け答えだな、と思った場合は、子どもいずれそう思うようになる可能性があると思ったほうがいいです。
安浪:同じ学校でも、学年やクラスによってカラーが違うというのは当然ありますが、いずれも指導するのは先生ですからね。たしかに複数の先生に話しかけることで、違和感の有無をある程度把握できそうです。
矢萩:あとは、その学校に通っていることが自分の生活スタイルの中にイメージできるかどうかですね。カリキュラムや宿題量なども関係してくると思いますが、よく学校のパンフレットなどに、生徒の1日の生活、みたいなものがあるじゃないですか。それを見て自分の将来の生活として違和感なく想像できるんだったらそれは結構合っている学校なのかと思いますね。先生たちとの対話と合わせて、いろいろな方向から総合的に判断していくといいと思います。
(構成/教育エディター・江口祐子)
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やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。
やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。