子どもの非認知能力を伸ばすために、親が「やるといいこと」とはどんなことでしょう? 非認知能力を研究しているAll HEROs合同会社代表の中山芳一さんは、子どもの気質に注目すると、より効果的だと話します。『AERA with Kids2024年秋号』(朝日新聞出版)からご紹介します。
【図】子どもの気質をポジティブに変換する方法はこちら非認知能力を使って、認知能力も上げる!
非認知能力と最近よく言われますが、そもそも認知能力と非認知能力はどう違うのでしょう。認知能力とは、試験の点数やIQのように「点数化」できる能力のこと。一方、非認知能力とは、積極性や粘り強さ、自信など、数値では測れない力のことをいいます。
非認知能力は、認知能力と対極にあると考えられそうですが、実はそうではないとAll HEROs合同会社代表で元・岡山大学准教授の中山芳一さんは言います。
「たとえば『挑戦する力』『あきらめない力』を発揮すれば、難しい課題に最後まで取り組めて認知能力もアップしやすくなる。つまり、両者は深くかかわりあっているのです」
勉強にも影響を与える非認知能力。
「子どもが非認知能力を伸ばすために、大人が働きかけたい部分は子どもの『気質』と『意識』です。それぞれの特性を知って、実践してみましょう」
0~9歳の子どもに「やるといい5つのこと」とは?
0~9歳は、子どもの気質がそのまま非認知能力として発揮されやすい時期。「生まれ持っている気質はひとつではなく、いちばん『濃度の高い』気質が表面に表れやすいイメージです。そして、気質は変えることができません」(中山さん)。そのうえで、この時期にどんなことをしたらいいかをお伝えします。
1.子どもの気質を把握する
まず、わが子の気質を把握しましょう。「子どもがどんな場面で、どんな行動、発言をしがちなのかを思い出してみましょう。親御さんが小さいころから『うちの子は〇〇だな』と感じていることが、ほぼわが子の気質にあたると思います。これがわかると『なるほど、気質だからこうするんだな』と子どもが見えやすくなります」
次のページへ子どもの気質を受け止める