中学入試<国語>の読解問題では、どのような文章が出題されるのでしょうか? 素材文には主に「説明文」と「物語文」がありますが、今回は「説明文」の解き方のポイントについて、声の教育社の猪狩斉大さんに解説してもらいました。渋谷教育学園幕張中や筑波大学附属中、豊島岡女子学園中などで実際に出題された5冊の本を紹介します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年8月号』(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU 1冊まるごと読む必要なし 筆者の主張をまとめ、自分の意見を書こう 2024年度「読解問題」で、実際に出題された5冊を紹介

1冊まるごと読む必要なし

 中学入試の国語に出てくる文章(素材文)には、主に説明文と物語文があります。

 説明文とは、あるテーマについて事実や筆者の考えを述べた文章で、入試に出る文章のほとんどは、書店で売られている本の一部を抜き書きして掲載されます。2024年度の入試では、左のような本から出題されました。中学生や高校生向けに書かれた本が多く、読み進めるのは難しいかもしれません。

 しかし、一冊まるごと読む必要はありません。興味をもったテーマの本を選び、とりあえず1章だけでも読んでみて、面白かったらほかの章も読み進めればOKです。

筆者の主張をまとめ、自分の意見を書こう

 入試では、文章で説明されている内容や筆者の主張、その理由などが問われます。

 筆者の主張に対する自分の考えを書くように求められることもあります。本を読むときも、「何のテーマについて、どんなことが述べられているのか」「筆者は何が言いたいのか」を頭の中で整理し、身近な出来事に引きつけて、「自分はどう思うのか」を考えながら読むようにしましょう。読書ノートを用意して、章ごとに「要約」と自分の「意見」を書くのもおすすめです。

 大切なのは、わからない言葉や表現が出てきたら、辞書を引くなどして調べることです。「入試本番では辞書を引くことができないのに?」と思うかもしれませんが、かまいません。わからない言葉を調べて知識がどんどん広がれば、難しい説明文も自分の力で読み進められ、筆者の主張を読み取って、自分の意見を表現する力も身につくと期待できます。

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ジュニアエラ編集部
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