中学受験で志望校を選ぶとき、多くの家庭が「共学」か「男女別学」かに悩みます。共学、男子校、女子校のそれぞれの違いや良さとは? これまで200校以上を見てきた教育ジャーナリスト・中曽根陽子さんの著書『<中学受験>親子で勝ちとる最高の合格』(青春出版社)から紹介します。
【マンガ】中学受験で合格したのに…「やっぱり地元の公立中に行く」 息子の告白に両親が出した“答え”とは?(全35枚)共学、男子校、女子校の歴史とは
男子校、または女子校を選べるのは「中学受験ならでは」ですが、親自身が共学に通っていた場合、それぞれの特徴はつかみづらいかもしれません。これまで200校以上の学校を見てきた経験を踏まえて、共学、女子校、男子校の違いを紹介していきましょう。
日本は戦前まで男女別学が一般的でした。従って戦前からの歴史のある私学は、今も男女別学のところが多く、伝統を受け継いで独自の教育を行っています。
また、同じ学校の中に男子部·女子部があり、一部の授業や課外活動だけは一緒に行うというスタイルを取っている学校もあります。これは、共学と女子校、男子校、それぞれのいいとこ取りをしているともいえますね。
反対に、共学校は戦後にできた学校がほとんど。戦後のベビーブームの時期に、その受け入れ先として拡大しました。当時は実学系だったのが普通科になり、今では進学校となっている学校も多いです。世の中のニーズに合わせて変化してきた学校ともいえます。
また、女子校が共学化するケースが増えています。これは、共学を選ぶ保護者のニーズに合わせてということもありますが、学校の本音は生き残りをかけた少子化対策です。結果として、21世紀型の教育を行う学校に転身し、多くの生徒を集めている学校もあります。
どの学校を選ぶかは、子どもの希望や家庭の考え方で決めればいいのですが、最初から「女子校しか考えない」などと限定してしまうと、学校選択の幅が狭くなってしまいます。
子どもの意思は尊重しつつも、幅広く学校を見られたらいいですね。
それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
共学 ――社会の縮図の中で、性差を意識しながら成長できる
それぞれの特性や違いを肌で感じながら、成長できるのは共学の魅力の一つです。
学校を社会の縮図と捉えれば、ごく当たり前の環境かもしれませんね。
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