思春期に差しかかる子どもたちは、男女で成長に差が出ます。

 一般に女の子のほうが、2年くらい成長が早いといわれています。なので、公立•私立問わず、中学校では女子がリーダーシップをとり、男子が押され気味になることが多いのですが、高校生になると男子は身体的にもぐーんと成長して、立場が逆転することもあります。こうしたことも含めて、性差を感じながら成長していけるのが共学です。

 多感な時期を異性と過ごすことで、大人になっても性差の違いを理解し合い、男女関係なく、フラットなコミュニケーションがとれるようになる可能性があります。

 デメリットとしては、異性の目を意識して自分らしさを発揮しにくいということがあります。

 今はジェンダー平等の意識も高くなっているので、「男子だから、女子だから」という縛りは少なくなってきています。それでも思春期になれば、異性を意識するのは当たり前です。異性の目が気になって、本当の自分を出せなかったり、無意識のうちに「男だから」「女だから」というバイアスにとらわれて、進路選択をしてしまったりする可能性はゼロではありません。

男女別学 ―― 一本筋の通っている教育が受けられる

 少子化で学校経営が厳しくなっていく中でも、別学にこだわり続けている学校は「一本筋の通っている教育をしている」ともいえます。長い歴史の中で、別学教育の価値を実感しているところがあるのでしょう。

 次は、男子校·女子校の特徴を見ていきましょう。

男子校 ―― おとなしい男子も、異性を意識せず過ごせる

 小学校で強い女子に押され気味の男の子が「女子のいない学校に行きたい」と男子校を選ぶ例があります。また、鉄道好きの「てっちゃん」のように、一つのことに没頭する傾向がある子にとっては、自分の好きなこと、興味のあることについて、異性の目を気にせず友達と語り合えることは、メリットといえるかもしれません。

 実際、男子校卒業者は、「ここで一生の友達ができた」という人が多く、男子校では、男子の友情が育まれやすいのかなと思います。6年間ともに過ごすことで仲間意識が芽生え、卒業後も長く付き合いが続くようです。社会に出ると競争が多くなるので、しがらみのない時代にできた友人は貴重ですね。

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