安浪:そうですね。さらにいえば、5年生はまだ未習分野も多く、特に夏頃から抽象的な分野を扱い始め、リテラシーを問われる問題も増えてきます。これから、神奈川トップ男子校に必要な内容が一気に増えてくるイメージですね。だから、まだ現時点では何とも言えませんね。
矢萩:コツコツやって、中学受験でもし届かなかったとしても、それを積んでいった延長線上にある大学にはきっと届くはずです。最終的に学びたいことが学べる大学に行きたいというのなら、高校受験でもいい大学受験でもいいじゃないですか。もちろん、中学受験で間に合ったならメリットもありますが、それが最善かどうかは人によります。いずれにせよ、どこかのタイミングで自分が行きたい学校に行けるように準備をしましょうっていう発想にしておけばいいと思うんです。中学受験で届かなかったらハイ、ゲームオーバーってわけじゃないですから。
難関校と中堅校の校風の違い
安浪:今取り組んでいることが、どのタイミングで発揮されるか、こればかりはわかりませんからね。でも、やらなければ何も積み上がらない。今、中学受験で取り組んでいることは必ず何かしら積み上がっています。
矢萩:神奈川の学校って今、難関校と中堅校とではかなり校風が変わってきています。昔はそれほど違いはなかったんですが、最近は中堅の学校に、探究を取り入れようとしたり、新しい時代に沿った学びをしようとしたりする学校が増えてきています。その一方で難関校は、今までのトラディショナルな学びを推し進めていって、いわゆる日本国内の有名大学を出口として想定している学校が多いです。
安浪:息子さんが4年生ならまだ構わないんですが、5年だとそろそろ現実を見て、その第一志望に行くために君はどんな取り組みをしているか、というところもリンクさせていきたいですね。例えば5年生の今、大手塾で最下位クラスにいる子が「僕は聖光学院に行きたい」と言っていたら、それならまず最上位クラスを目指さないとね、そうなると今の取り組み方では難しいね、となるわけじゃないですか。じゃあ、そこに行くためにはどのぐらい勉強しなきゃいけないかを現実的に教えるわけです。今の君はこれくらいの勉強量だけど、あとこのぐらいやる必要があるよね、と具体的に説明すると「じゃあ辞める」と言うかもしれない。その程度の覚悟なら厳しいわけです。
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