4年、5年の偏差値は「どうでもいい」

安浪:5年生だったらまだいろいろ見られますしね。それでもその学校に行きたいと思うのであれば、今たとえ10ぐらい偏差値が足りなくても、とにかく前を向いて頑張るしかないです。我々は6年の秋になったときの偏差値しか見ないので、4、5年生や6年の4月に偏差値がどれだけ取れていたかの話は基本、どうでもいいんです。6年の秋、9月・10月に向けて積み上げていく、という視点が大事です。そこまで基礎力を積み上げていって、特訓や過去問で実戦力を鍛えていく。ただ、志望校に手が届かないと思っているなかで、志望校に見合った努力をある程度本人がちゃんとできるかどうか、というのが中学受験の本当に難しいところなんです。もし努力できているのであれば、6年の夏が終わるまでは、全力で応援してあげてください。

(構成/教育エディター・江口祐子)

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矢萩邦彦
中学受験塾塾長 矢萩邦彦

やはぎ・くにひこ/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

安浪京子
中学受験専門カウンセラー/算数教育家 安浪京子

やすなみ・きょうこ/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。オンラインサイト「中学受験カフェ」主宰。

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