親には「生き物を飼うな」と一度も言われたことはありません。でも、あとで母に当時のことを聞いてみたら、あのおかげで少しは生き物が好きになった、と話していましたね。元々は生き物がそんなに得意ではなかったと思うと、イヤがらずに接してくれたのはありがたかったです。

家が博物館状態!? 好きを突き詰める友人との出会い

――どんな学生時代でしたか?

 東京農業大学に進み、造林学研究室に所属していました。研究室には爬虫類や虫が大好きな人も多くいて、好きを突き詰めている友人がたくさんできました。

 家が博物館状態で、生き物のためにずっとエアコンをつけっぱなしにする友人や、飼っていたゴキブリが逃げ出して家中で大繁殖してしまった友人もいましたね。今でこそ僕は植物について発信もしていますが、当時は僕なんかより、ずっと何かに詳しい猛者がたくさんいました。

――子どもの頃から、伸び伸びと「好き」を突き詰められた人たちなんでしょうね。

 大学時代は人生で一番楽しかったと断言できます(笑)。それは、好きを突き詰める人たちに囲まれていたからです。

 でも、何かを突き詰めるには周りの環境も大事だなと感じます。僕が子どものときは、「こんなものを好きでどうするんだ」と言う大人もいました。だから当時は、隠れるように生き物を育てていた記憶があります。

 今は多様性の時代と言われるようになり、たとえ自分が受け入れられないものでも、子どもが好きなものなら応援しようという姿勢の親御さんも多いですよね。今は、子どもにとって好きなものを堂々と受け入れてもらえる良い世の中になりました。僕の動画をきっかけに植物に興味をもって自由研究で賞をとったとDMで報告してもらうこともあるんです。そういう報告がもらえるのは何より嬉しいことですね!

子ども時代のそらベジガーデンハックさん。このころから生き物が大好き!(提供)

保険の営業マンから、植物と人をつなぐYouTuberへ転身

――なぜ動画配信を始めようと思ったのでしょうか?

 元々は保険の営業マンとして働いていましたが、新型コロナウイルスの大流行で訪問営業が難しくなってしまいました。新しい道を探す中で、自分のやりたいことは何かを真剣に考えたんです。

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