石田 例えばダンスの大会があるなら、それに向けて取り組む。その先のことはまだ考えなくていいと思います。目の前のことに取り組んでいくことで、成長し、出会いが増え、心に何かしらの変化が生まれてくるはずです。

夢を見つける2つのカギ

 この考え方は「希望学」といって学問の分野でも研究されていて、小さいときに何かに没頭したり、短期的な目標であっても挑戦したり努力したりした経験が、大人になったときにやりたいことに出会う確率を高めると考えられています。

 私は以前、私立中高一貫校の経営をしていたことがあるのですが、学校改革の中で子どもに夢を持たせて、夢を起爆剤に能力を伸ばす教育方針モデルを構築したんです。そのときに、夢を見つけるために2つの条件を提案しました。

 このどちらかがあると、夢へのスイッチが入るようです。将来ありきではなく、まずは目先のことに全力で取り組み、没頭する。その過程でいろいろな物事や人に出会い、自然に夢が見つかっていくのではないでしょうか。

子どもの夢や目標、応援のコツ

石田 子どものうちは「これになりたい」「あれになりたい」と夢がコロコロ変わってもいいと思います。親側は「いいんじゃない、頑張って!」と応援しましょう。例えば、「YouTuberになりたい」と言われても、「あまりもうからないよ」とか否定はしないほうがいい。基本は肯定して応援するスタンスがいいですね。また、子どもが「なんか違った、やめた」と言っても「え?また変わったの?」とは言わないほうがいい。そして次の夢が出てきたらまた「いいんじゃない?」と肯定する。そんなことを繰り返していくことで、だんだんとその子の夢や目標に近づいていけるのではないでしょうか。

相談者 なるほど。遠くの将来のことまで期待しすぎていたかもしれません。目先の目標に全力で取り組むとのことですが、親が「こういう目標があるよ」と見せたほうがいいですか?

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