イベントではお客さんの反応がよくなかったり、うまくいかなかったりするときもあります。でも本人は至ってポジティブ。「次は歌を入れてみようかな」と考えるなど、失敗も成功の糧にしているようです。

「あやとりなんて勉強の役に立つの?」と聞かれることもありますが、役に立つかどうかという評価軸は我が家にはないんです。本人が好きなことを楽しんでいればOK。好きなことだからこそ、あやとりもここまで頑張って、突き抜けられたんだと思いますし。

「好きなことといえば、幼稚園のときは『ピノキオ』にハマり、いろいろな『ピノキオ』の本を50冊もコレクション。『絵本によって切り取るシーンや言葉の表現が違うんだよ』と、50冊を一斉に並べてページを開いて、細かい違いをレクチャーしてくれました。好きなことを追求する姿勢は、僕から見ても立派です」(正志さん)

 そんな聡志の夢は、あやとりの本を出すことと、あやとりの魅力を広める団体を作ること。そこは親として、できる限りのサポートをしていきたいですね。

ノートを常に持ち歩き、新しい「あやとりレシピ」をひらめいたら、忘れないよう書き留めておくという聡志くん。今までに400以上の技を創作しました。目下の夢は、オリジナルのあやとりを紹介する本を出すことだそうです(撮影:高野楓菜)

(取材・文/阿部桃子)

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2024年 夏号 [雑誌]

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阿部桃子
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