とはいえ、野球やサッカーなどをやってはいけないということではもちろんありません。左右非対称の動きをしたあとは、対称性のある遊びや動きを取り入れるといいでしょう。例えば、手押し車(こどもの脚を親がもって腕で歩かせる)、竹馬、雑巾がけなどです。また動物になりきる遊びもおすすめです。四つ足動物の動きは必ず左右対称になりますから。気にせずにいると利き腕、利き足ばかりを使ってしまいがちですが、要は相殺できればいいのです。1週間単位でざっくりと、相殺できるように工夫してみてください。

 ちなみにですが、先ほど申し上げた昔遊びなどで、体の使い方のベースを学ぶことは、姿勢だけでなく、スポーツの上達にもよい影響を及ぼすんですよ。例えばピッチャーが投げるとき、肩や腕の力だけで投げているわけではありませんよね。全身を使ってしなって投げるから、速く、遠くまで投げられるんです。無駄な力みがなく、全身をうまく使えること。その大前提はよい姿勢です。姿勢がよくなったら、スポーツがもっと上達するかもしれません。

勉強するときは机や椅子の高さをチェック

――ベースは姿勢から、ということですね。勉強するときなど、座っているときに姿勢が悪くなってしまうというケースが多いのですが、どんなことに注意すればいいでしょうか?

 まずは椅子の高さが合っているものを選びましょう。椅子が低いとひざの位置が上がってしまうので、骨盤が後傾しやすくなります。逆に高いと足が床につかないので、姿勢が安定しません。高さが調節できない場合は、床に台を置くなどして調整してください。

 座ったときのよい姿勢は、足裏全体が床について足首が直角になっていること、ひざの曲がる角度が直角、股関節も直角が目安です。骨盤を立て、背もたれに背中をつけて、まっすぐ座るのがいいですが、座面が広く滑りやすいなどの場合は滑り止めシートを敷くなどして、骨盤が後ろに傾かないようにしましょう。とくに先天的に筋肉の張りが弱い低緊張タイプのお子さんは、自力で姿勢をキープすることが難しいので、道具を利用するなどして、正しい位置になるよう工夫してあげてください。

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