スマホやポータブルゲームの影響により、子どもの姿勢を心配する親御さんが増えています。動作改善の専門家である理学療法士の資格を持ち、子どもの姿勢改善と幼児の体作りを推進するための情報サイト「子どもと姿勢研究所」の代表を務める西村猛さんに、よい姿勢の状態や、よい姿勢を維持するためのコツを聞きました。※前編<「子どもの猫背」はなぜよくないのか? 姿勢の悪さがもたらす影響を理学療法士が解説>はこちら

MENU 「運動」よりも「日常の姿勢の見直し」が大切 よい姿勢になっているか、親自身もチェック 姿勢改善をしやすいのは7歳ごろまで

「運動」よりも「日常の姿勢の見直し」が大切

――悪い姿勢を直すには、どんな方法がありますか?

 姿勢が悪いのは筋力の問題ととらえられがちなので「猫背の原因となる腹筋や背筋を鍛えよう! 何か運動をすればOK!」という発想になりますが、それでは解決しない場合も多いです。なぜなら、姿勢は習慣によるところが非常に大きいからです。

 よい姿勢というのは、実は一番筋力を必要としない状態。正しいS字カーブを描いた背骨の上に、頭がまっすぐのっている状態。重力が分散されつつストンと下に落ちているので、無駄な力みがいりません。逆に悪い姿勢は、ゆがんでいることにより、どこかしら、ものすごく力が入っている状態なんです。その無駄な力が入った状態のまま筋トレや運動をしても、うまく修正できないですよね。

 運動よりもまずは、生活の中でよい姿勢をキープする。それを意識し、崩れがちな場面で地道に、こまかく修正を加えていくことが大切です。

よい姿勢になっているか、親自身もチェック

――日常の中でどれだけ気をつけられるかがポイントということですね。そもそも、よい姿勢ができているか、どうやってチェックすればいいのでしょうか。

 よい姿勢をとるためには、筋力と持久力が必要です。じっと座っていられず、片足を座面にのせたり、ひじをついたり、足を組んだりするのは、よい姿勢をキープし続けるのがしんどいという証拠です。それほど猫背や反り腰ではないように見えても、15分程度きちんと座っていられないという場合は姿勢が悪い予備軍といっていいでしょう。

 立位の場合のよい姿勢は、耳、肩、骨盤、ひざ、くるぶしが一直線に並んだ状態とされています。家で簡単に確認できる方法がありますよ。

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石村紀子
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