子どもの姿勢を気にする親が増えています。動作改善の専門家である理学療法士の資格を持ち、子どもの姿勢改善と幼児の体作りを推進するための情報サイト「子どもと姿勢研究所」の代表を務める西村猛さんに、よい姿勢を作るための具体的な方法、注意点を聞きました。ポイントは「全身くまなく」「グッズの見直し」「親と一緒に」です。※前編<「子どもの猫背」はなぜよくないのか? 姿勢の悪さがもたらす影響を理学療法士が解説>はこちら

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昔遊びで体幹部を総合的に鍛えるのが、よい姿勢への近道

――姿勢改善に役立つ運動などはありますか?

 あります! 実は昔ながらの遊びがとても有効なんです。鬼ごっこやだるまさんがころんだ、おしくらまんじゅう、バナナ鬼(追いかけっこをしてタッチされたら両手を頭上にあげ、バナナになって止まる遊び)などです。

 これらの遊びの共通点は、体を総合的に使うところです。上半身をねじったり、下半身で踏ん張ったり、腕を頭上に上げたり、腹筋に力を入れて腹圧を高めて押し合いっこをしたりすることで、姿勢をキープするための体幹部(胴体の部分)の筋力や持久力が自然と鍛えられるのです。

 体幹部を鍛えるなら腹筋や背筋を重点的に鍛えるトレーニングのほうが効率がよいのでは?と思った人もいるかもしれませんね。しかし、筋力や持久力があるだけではダメなのです。それを使いこなすためには、全身の連動性や操作性が必要だからです。これらの遊びはそのベースとなる体の使い方も学べるのでおすすめというわけです。

 公園の遊具を使った遊びもいいですね。できるだけたくさんの遊具で遊ぶことで全身くまなく使うことができます。しかも子どもは遊んでいるだけなので、やらされている感がないのもいい点です。

よい姿勢になるとスポーツも上達する!?

――習い事などのスポーツはどうでしょうか。同じような効果が得られますか?

 習い事によると思います。野球やサッカー、テニスなど左右非対称の動きをするものよりも、水泳やトランポリン、合気道など、左右を同じように使うものが姿勢の観点ではいいですね。

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石村紀子
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