「気づいたら猫背で動画を見ている」「食事中にきちんと座っていられない」――。子どもの姿勢について悩みを持つ親御さんが増えています。理学療法士で、子どもの姿勢改善と幼児の体作りについて発信している西村猛さんに、姿勢の悪い子が増えている原因や、姿勢の悪さが将来的にどんな影響を及ぼすのか聞きました。

MENU 猫背、反り腰、低緊張…姿勢の悪さは3タイプに分けられる 「ソファでゲーム、スマホ」は姿勢悪化の大きな原因に 姿勢が悪いと心肺機能にも影響が…

猫背、反り腰、低緊張…姿勢の悪さは3タイプに分けられる

――西村さんは、保育園や幼稚園、小学校などへの巡回相談や保育士さん向けの研修会を行っていますが、姿勢の悪い子どもは増えていると感じますか?

 そうですね。先生方から、姿勢の悪い子どもが増えているという相談を頻繁に受けます。私は2013年に子どもの姿勢が気になり始め、「子どもと姿勢研究所」というウェブサイトを立ち上げましたが、そのころよりずっと増えている印象です。しかも少し猫背が気になるというレベルではなく、とにかくじっと座っていられない、ずっと頬づえをついている、寝転んでしまうなど、かなり乱れた状態の子が増えていますね。

 姿勢悪化で圧倒的に多いのはやはり猫背です。本来S字カーブを描いている背骨がC字になってしまっている状態です。一方で、一見姿勢がよく見える、胸を張った反り腰タイプも要注意。こちらは腰の部分のカーブが過剰に前に反った状態(前弯)になっていて、上部の背骨はカーブが浅くなっている状態です。割合としては少ないですが、筋肉の低緊張(もともと生まれたときから筋肉の張りが弱い)によって、正しい姿勢がとりにくいというタイプのお子さんもいます。

「ソファでゲーム、スマホ」は姿勢悪化の大きな原因に

――なぜ姿勢の悪い子どもが増えているのでしょう?

 ポータブルゲームやタブレット、スマートフォンの普及が大きく影響しているように思います。以前は、ゲームはテレビ画面に映像を映して遊ぶタイプが主流だったので視線は前を向きますが、ポータブルタイプのゲームは手元の画面を見ながら操作しますよね。

著者 開く閉じる
石村紀子
石村紀子
NEXTその他の姿勢悪化の原因は?
1 2 3