――低学年のうちは脱毛しないほうがいいですか?

 低年齢だと毛が細く、色も薄い傾向があり、レーザーに反応しにくいことがあります。また、個人差がありますが、レーザー脱毛は1~2カ月おきに4、5回以上は実施することになります。脱毛についてよく理解したうえで、自分で意思決定ができる高学年くらいが適切ではないでしょうか。

――子どもにレーザーを当てるのは危険ではないですか?

 子どもにレーザー脱毛をするようになって10年以上経ちますが、長期的な影響というのは報告されていません。一方、短期的な合併症として最も多いのが毛穴の炎症で、毛穴が一時的に閉塞してニキビのような症状が出ることがあります。次に多いのが色素沈着で、特に背中に出やすいという特徴があります。どちらも子ども特有の合併症というわけではなく、大人も同様に発生します。また、症状は一時的なもので、適切な治療によって治ります。合併症が起きた場合のことを考えると、日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医のもとで治療を受けるのが安心です。

――脱毛によって逆に毛が濃くなることがあるというのは本当ですか?

 特に背中を脱毛した場合、レーザーによって発生した熱が毛の成長を促して、毛が濃くなることがあります。しかし、その後もレーザー脱毛を繰り返せば脱毛はできます。毛が濃くなるかどうかを事前には判断できないので、レーザー脱毛の開始後に一時的に毛が濃くなるケースもあることを理解したうえで、脱毛の治療を受けることが大事です。

――脱毛をしてはいけないケースはありますか?

 日焼けをして皮膚が黒いと、レーザーが反応してしまいトラブルの原因になるのでやめたほうがいいでしょう。また、レーザー照射中はじっとしていなければならないので、怖がって暴れてしまうような場合も向いていません。だからこそ、「脱毛したい」という本人の意思や脱毛への理解が大事なのです。

――アトピー性皮膚炎があっても脱毛できますか?

 アトピー性皮膚炎によって色素沈着を起こしていることがあるので、その場合は症状をコントロールしてからのほうがいいでしょう。アトピー性皮膚炎など、肌が弱いタイプの子は、特に皮膚科専門医のもとで脱毛することをおすすめします。

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