「このままでは社会人になれない。なんとかしなくては」という焦りがありました。そこでアルバイトを始めたんです。
アルバイトは「自分を鍛えないとだめだ!」と、あえて苦手なことを選びました。はじめて会う人とお話しするのが苦手といっても、仕事ではそんなことは言っていられません。ですから接客を中心に、パン屋さんや野球場、洋服のショップスタッフ……本当にいろいろなアルバイトをしました。
――きっと、どの場面でもてきばき手際よく働いていらしたのでは……
いえいえ、それが全然(笑)。鈍くさくて皆さんにご迷惑をかけ、申し訳ないと思いながらがんばっていました。
洋服のショップは、自分がお客さんの立場で服を見ているとき、スタッフの方から声をかけられるのがとても苦手だったんです。そこで、あちら側の気持ちを学ぼうと思って。実際に自分がお客さまに勧める側に立つことで、ショップでのドキドキも克服することができました。
野球場では、アイス最中の売り子をやりました。重かったけれど体力もつきますし、大声を出さなくてはいけないのでメンタルも鍛えられました。野球好きが高じてベンチ脇に待機して審判にボールを渡すボールガールもやりましたよ! たまにテレビに映ったり、新聞の写真にちらっと写っていたりすると、巨人ファンの両親が気がついて喜んだりしていました(笑)。
――そして、お天気キャスターとしてテレビに登場されたのですね。
友達の紹介でセント・フォースに所属して、お話をいただきました。大学生活との両立に不安はありましたが、キャスターはやりたいことでもあったし、このチャンスは逃してはいけないと飛び込みました。
当時、毎朝3時に起きてテレビ局に出勤する生活。つらかったのは、1限の授業がある日でした。10分だけ寝るつもりが、起きたら3時間経っていて「……間に合わない」とぼうぜんとしたなんてこともあり、2年がかりで単位を取った授業もありましたね。今となっては思い出ですが、当時は大変でした(笑)。
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