――何歳くらいなら大丈夫ですか?

 17歳くらいになると皮膚が厚みを増して丈夫になるので、刺激による皮膚炎は起こりにくくなり、アレルギー性接触皮膚炎の原因になる感作も起きにくくなります。そのころになれば化粧品に関する知識も増えて説明を呼んで使うなど正しい使い方ができるようになり、トラブルを起こしたときも対処できるようになります。

親も子も「正しい知識を持つこと」が大事

――メイクをやめさせたいとき、親はどんな声掛けをしたらいいですか。

 私は子ども向けに書いた本の中で、メイクは時期尚早だと伝えたことがあります。根拠も示しながら子どもにもわかるように書いたつもりですが、肝心の子どもにはあまり読んでもらえませんでした。本人はとにかくメイクをしたいので、「しないほうがいい」なんて助言は聞きたくないんですね。

 身近なメイク経験者のお母さんのアドバイスは大事なのですが、単に「やめなさい」では、子どもは納得しません。ましてや小学校高学年ともなると思春期の入り口ですから、多くは反発し、聞く耳を持たないでしょう。隠れてメイクをして肌トラブルを起こしたり、トラブルを隠して悪化させたりということにもなりかねません。

 親御さんはまず、「化粧品はかぶれることがある」「子どもの皮膚は大人よりもかぶれやすい」という二つをしっかり伝えてください。さらにかぶれるとどうなるのか、どう対処すればいいのかなども話しておくといいでしょう。小学校低学年でも繰り返していねいに説明すれば、理解できます。

 メイクにはいい面だけでなく悪い面もあることを知れば歯止めがかかり、使用をやめないまでも少し注意して使うようになります。肌にトラブルが起きたら「化粧品が原因かもしれない」と気づくことができます。メイクはしっかり落とさなければならないことも理解できるようになっていきます。

――親がまず正しい知識を持つ必要がありますね。

 その通りです。目元や口元などのメイクは本人がやりたがるケースがほとんどですが、髪染めやマニキュアは親御さんがさせていることも少なくありません。

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