小学生にも増えつつある「ゲーム依存」。ゲーム依存に詳しい、久里浜医療センター名誉院長で精神科医の樋口進さんは、「子どもは一度依存になってしまうと、治療が非常にむずかしい。予防が何よりも大事」と話しています。家庭でできる予防法について、樋口医師に聞きました。
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――子どもをゲーム依存にさせないようにするためにはどうすればいいでしょうか?
まず、子どもにスマホやタブレットを与える時期について。国が毎年実施している「青少年のインターネット利用実態調査」で12歳以下の子どもたちのインターネット利用率を見ると、2020年度から23年度までの3年の間にほぼすべての年齢で増加しています。特に7歳までの乳幼児や学童の増加が著しく、23年度の利用率はなんと0歳でも15.7%、2歳で約6割、5歳で約8割、8歳以上は9割を超えています。
インターネットの開始年齢が早いのはゲーム依存になりやすい危険因子であり、乳幼児から使わせるのはあまりにも早すぎます。何歳からという指標は示されていませんが、私は遅いほうがいいと思っています。
とはいえ小学校高学年になるとスマホを持っている子が増え、子どもにとってスマホを持っていることがステータスのような面もあり、いつまでもスマホがなくていいとは一概には言えません。子どもがスマホを持ちたいと言ったら十分に話し合いましょう。
話し合った上でスマホやタブレットを持たせる場合は、使用ルールをしっかり決める必要があります。機器を持たせる前に決めるのが望ましいですが、すでに使わせている場合でも、効果はあります。
子どもと相談しながらルールを決める
――ルール作りのポイントを教えてください。
親の意見を一方的に押し付けるのではなく、子どもと相談しながら決めることがとても大事です。
ポイント1 機器の使用時間を決める
・こと細かに決めるより、たとえば終了する時間や、1日に使用可能な時間など、「重要な時間を必要最小限」決めるのがよいでしょう。また親は使用時間をできるだけ短くしたいがために厳しめの設定をしてしまいがちです。あまり厳しく制限すると子どもはルールを守れないし、それでも親が無理強いをすればルールは守れたとしても親子の関係が悪くなります。子どもの意見にも耳を傾け、話し合いましょう。ある程度の妥協も必要です。
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