しかし小学校の学習カリキュラムが終わっていない、小4や小5で出てくる偏差値は、あまり気にしなくてもいいでしょう。このころは、単元のチェックという点で模試などを活用したらいいと思います。

 偏差値を気にするのは、小学校の単元をすべて学習し終わり、受験校を決めていく小6の夏休み以降から注目するので十分だと思います。ただしこの場合も、一度や二度の模試の偏差値で見るのではなく、複数回の平均で見ることが大切です。

――「80%合格偏差値」とは何でしょう。

 塾が配布している各学校の偏差値一覧は、「80%合格率」が使われることが多いです。ある中高一貫校の合格可能性が80%であることを示すものです。

 四谷大塚の場合は、【Aライン80偏差値一覧】が、「受験者の80%が合格している偏差値一覧」になります。ほかに【Cライン50偏差値一覧】という、受験者の50%が合格している偏差値一覧も用意されています。日能研の場合は【R4】というのが「80%合格偏差値一覧」で、【R3】が「50%合格偏差値一覧」になります。

 80%合格偏差値とは、例えば偏差値60の受験者が10人受けて8人合格すれば、その学校の80%合格偏差値が「偏差値60」になる仕組みです。

 しかし80%合格偏差値は、あくまでも模試による合格可能性でしかありません。模擬テストはどの学校にもあてはまるように平均的に作られているのに対し、実際の入試問題は学校によって特色が異なります。出題される単元が決まっている学校、基本問題が多い学校、資料を読み解いて記述させる学校など、学校によって特色はさまざまです。

 模擬試験での偏差値では80%合格率を得られたとしても、実際の入試では苦手単元ばかりがでる学校かもしれません。その場合は入試に失敗するリスクが高くなります。そうした各学校の入試問題の特色は、過去問を解いていくことで理解できます。偏差値も合格率もあくまでも模擬テストから導き出されるもので、絶対ではありません。

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