よく入試のあとに「もう一度入試をやったら、合格者の半数は入れ替わる」と言われることがあります。そのくらい中学入試は微妙なものですので、偏差値を過信しすぎないことも大切です。

学校の偏差値を上げる“からくり”がある?

――学校の偏差値を上げるための“からくり”があると耳にしたことがあります。

 一概に偏差値をあげるためのシステムとはいえないのですが、「受験日を増やして、1回の合格者を減らす」ことで学校の偏差値は高くなります。

 例えば、合格定員が200人の学校で、500人の受験者がいたら、1回しか受験機会がなければ上位200位に入っていれば合格できます。しかし受験機会が3回になり、100人、80人、20人といった合格者になったときには、200位の受験者は3回目まで合格できないことになります。とくに3回目の受験は定員も少ないうえに、上位校を受けて不合格だった成績上位者が受験することもあるので、倍率も偏差値もかなり高くなる可能性があります。

 受験日程が増えることで受験機会が増えることは、併願がしやすくなって決して悪いことではありません。しかし合格者数が限定されることで、難易度が高くなることもあり、それが「学校の偏差値を上げるためのからくり」として使われることもあります。

 特に新設の学校などで、入試回数を多くして、合格者が5人といった極端に少ない人数を設定しているケースもあります。こうした学校が、急に人気になってしまい倍率が非常に高くなって、事前の推定偏差値もあてにならず、不合格者が多発したという事例もあるので注意が必要です。

 ただし、新設校に限らず、学校側はいろいろな生徒がほしいですし、とくに学力の高い生徒はほしいでしょうから、そうした生徒を集めるための方法は考えるでしょう。一概に学校が悪いことをしている、というわけではないと思います。

――偏差値を上げるための効果的な学習法はありますか。

 勉強をしっかりしていても、なかなか偏差値があがらないこともあります。偏差値が相対評価である以上、自分だけでなく周りの子どもたちも勉強していれば、偏差値はなかなかあがってきません。

次のページへポイントは「正答率」
1 2 3 4