■自由な歌にもチャレンジ!
ところで、歌を歌う係っていうのは希望者だけがなるものなのかな? それとも、クラスでは何かの係に絶対ならなきゃいけなくて、その子はやりたくないのに係になっているって可能性はあるかな? よしおも小学生のころはやりたくない係になって「めんどくさいな」って思っていたことがあるから気になったんだ。
もしその子がやりたくなくて歌を歌う係をやっているとしたら、ちょっと退屈かもしれないなあ、って心配になったんだ。本当は歌が下手とか、音程がうまく合わせられないとか……歌が下手だと自分がズレていることにも気がつかないんだよね。それで邪魔しちゃうってこともあるかも。
これはよしおの想像の話だから、ここからは提案になるんだけど、その子が活躍できるような、新しい役割を作るのはどうかな。変なダンスをしてくるなら、踊り担当とか! 歌に合わせて踊ることってよくあるでしょ? 前、YouTubeで「涙をこえて」って合唱曲を踊りながら歌っている動画を見たことがあるよ。
きっと学校で歌う歌って足は肩幅に広げてとか、口を大きく開けてとか、音程を合わせてとか、守らないといけないことがたくさんあると思う。それがちょっと窮屈だ、って思う子もいるとは思うんだよね。その子に歌の楽しさを知ってもらうためにも、曲を変えるのはありかもしれないね。例えば、よしおの野菜の歌なんてどう? 音程を気にしなくてもいいし、からだを動かしながらでも歌えるよ!
おすすめは、ごぼうの歌とにんにくの歌かな。ごぼうの歌は一番気持ちを発散できそう! にんにくの歌は、どんどんスピードが上がっていって楽しいよ。ちょっと合唱曲っぽいもやしの歌なんてのもあるから、よかったらチャレンジしてね。シンプルな振り付けもあるから、歌以外の部分でも楽しんでもらえるかも。きっとあおちゃんにも楽しんでもらえるはず!
ちなみによしおはふざける側だと言ったけど、歌を歌うのが大好きだった。でもなぜか「真面目に歌ってよ」って注意されていたなあ。中学1年生のときには合唱の指揮者に立候補したんだけど、「顔が面白くて歌えない」って言われてクビになったこともあったよ(苦笑)。
歌は素敵だよね。一生懸命歌ったら大人になっても覚えていて久しぶりに会った友だちと盛り上がるなんてこともある。歌って、一瞬で昔に戻れるタイムマシンでもあるんだ。あおちゃんもその子も、楽しく歌が歌えますように!
……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?
(構成/濱田ももこ)
小島 よしお