実際に受検する際、鹿田さんは「5級から順番に受けること」を勧める。5級合格には中学生の初級程度の英語力が求められ、300〜600語の語彙力が必要と言われている。そのレベルにあるかどうかをチェックするポイントは、次の三つだ。

① 耳で聞いて英語の短い文章が理解できるかどうか

② 初歩的な英単語を見て発音できるかどうか

③ 数字、曜日、日時、月、時刻、色を表す単語が読めて意味がわかるかどうか

「短い文章」とは、be動詞を使った第2文型や、簡単な一般動詞を使った「主語+動詞+目的語」という第3文型の文章、疑問文や否定文など、中学1年生で習う程度の文章を指す。また、「今日は何曜日ですか?」「今何時ですか?」「これは何色ですか?」など、疑問詞を使った質疑応答も理解できていればいい。5級はマークシート形式の問題しかないため、英文や英単語を書く能力は必要ない。

「準備段階で単語の意味がわかり、読んで発音できるようにしておくことが大事です」

 単語力を高める方法としては、オリジナルの「付箋カルタ」がオススメだという。

「幅広の付箋を用意し、表に油性ペンで大きく英単語、裏に小さく鉛筆で日本語の意味を書いておきます。それを床やテーブルにペタペタと貼って、『orangeを取ってごらん』とカルタみたいに遊んだり、机のまわりや洗面所の鏡など目立つところに貼ったりして覚えていきます」

 5級レベルの英語であれば親も中学時代に習っているはずなので、遊び感覚で一緒に取り組むことができるはずだ。簡単に貼ったり剝がせたりできる付箋なら使い勝手が良く、終わった際にもまとめやすい。

語彙力アップの方法として鹿田さんがオススメする「付箋カルタ」。表に油性ペンで英単語、裏に鉛筆で小さく日本語の意味を書き、床やテーブルの上にランダムに貼りつけて「bus を取ってごらん」などとカルタのように遊ぶ(撮影・横関一浩)

受検の無理強いはせず子どものやる気に任せる

 準備ができていると判断したら、過去問題を1回分、解いてみる。英検の公式サイトから過去3回分の問題冊子、リスニング音源、解答などのダウンロードが可能だ。

「大事なのは問題形式に慣れること。英検は毎回同じ問題形式で出ますので、どんな問題が出るのか把握しておきましょう」

次のページへ過去問3~4割程の正答率で合格できるレベル
1 2 3