白百合女子大の「ホスピタリティ・マネジメントプログラム」の最新パンフレットでは、7人のCAが受験生向けに自らの体験を語っている(ANA4、カタール航空1、ルフトハンザ航空1、ほか外資系航空会社1)。大学で何を学んだか、CAになるためにどのような勉強をしてきたかについてだ。大学のパンフレットにこれほどCAが登場するのはめずらしい。それだけ、大学はCA養成に力を入れており、CA志望の女子高校生の士気を高めたいようだ。
公立大学のトップは北九州市立大である。少しずつだが、年々、増えている。川本さんが続ける。
「公立大学からCAはそれほど多くないのですが、ここは外国語学部があるから強いで
すね。それだけではなく、北九州は航空会社スターフライヤーのお膝元ということがあっ
て、地元企業志向の志望者に親近感を持たれています」
これまで大学はCA志望者にきめ細かな対策講座を行っていなかった。大学はCA養成の専門学校ではない、という考え方からである。しかし、最近では元CAなど航空会社関係者が担当する「エアライン対策講座」を行う大学が増えた。
このような流れは続くだろうが、さすがにCAだけの養成を掲げる学部、学科、専攻はつくられないだろう。そこは大学の矜持を信じたいところだ。
CAは職能上、グローバル性が求められる。同時に、多様性も必要となる。
CAの出身学部には文、外国語、国際関係が多い。これからはさまざまな分野を勉強してきた学生を採りたいという方針のもと、経済、理、工からのCAが増えることもありうる。しばらく続いている関西外国語大、青山学院大のワン・ツー・フィニッシュが崩れて、新しい大学が登場するかもしれない。
それがCA採用ランキングのおもしろいところである。
(文/小林哲夫・教育ジャーナリスト)