キャビンアテンダント(CA=客室乗務員)採用者の出身大学別データ、2018年最新版がまとまった(大学通信調べ)。

 CAは女子学生にとってあこがれの職種である。それゆえ競争率は高い。
 
 最新ランキングについて、航空業界の就職情報誌「月刊エアステージ」(イカロス出版)の編集長、川本多岐子さんは次のように解説する。

「ランキング上位校の特徴として、外国語学部がある、学院と名のつくミッション系である、女子学生が多いなどがあります。それに加えて最近、度胸がある、動じないというような学生が採用される傾向があります。それゆえ、出身大学もずいぶんばらつくようになったかもしれません。女子学生が多くなった明治大、法政大、駒澤大が増えています。女子大も健闘しています。女子大ばなれと言われながら、CAへの志向性が女子大のメンタリティーに近いからでしょうか。たとえば、おもてなしに力を入れたい、自分を表現したいなどです。関西外国語大が圧倒的に強いのは英語が得意というアドバンテージが生かされた、につきますね」

 CAの採用者数は17年に比べると全般的に減少している。航空会社が採用者数を少し抑えたからであろう。こうしたなか、前年比で採用者数を増やした主な大学は次のとおり。

3位 立教大39人(+3人 6位)
4位 早稲田大35人(+12 14位)
9位 明治大27人(+1 12位)
16位 中央大20人(+4 23位)
17位 学習院女子大19人(+5 28位)
18位 神田外語大18人(+3 25位)、日本大18人(+1 22位)
21位 金城学院大17人(+3 28位) 
26位 白百合女子大15人(+5 44位)

 早稲田大が増えたことについて、川本さんはこう見ている。

「大手航空会社の福利厚生を早稲田の学生が評価したからでしょう。大手航空会社は出産や育児で休職後も問題なく復職でき、介護休職や再雇用などの制度があるほか、入社10年後は働く時間を短くできる制度もあり、子どもの面倒がみられる。そんな働きやすさが注目され、たとえば、金融、商社など総合職志向の学生までCAをめざすようになったといえます」

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小林哲夫
教育ジャーナリスト 小林哲夫

1995年より『大学ランキング』の編集者。『筑駒の研究』(河出新書)、『学校制服とは何か その歴史と思想』 (朝日新書)、『女子学生はどう闘ってきたのか』(サイゾー)、『旧制第一中学の面目』(NHK出版新書)、『東大合格高校盛衰史』(光文社新書)、『早慶MARCH大激変 「大学序列」の最前線』(朝日新書)など、教育・社会問題についての著書多数。

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