新しいNISAで復活する「枠」について、金融庁、東証に取材しつつ巨大図解
新しいNISAで復活する「枠」について、金融庁、東証に取材しつつ巨大図解

 では、同じ金融商品を何度も買って、その一部を売却した場合はどうなるのか?

 たとえば、つみたて投資枠などで同じインデックス型投信に毎月定額のつみたてをしていたり、成長投資枠で同じ東証ETFを定期的に同じくらいの金額で買っていたりするケースだ。

「その場合、1口当たりの平均購入単価で計算された分が翌年に復活するイメージです。たとえば金融商品Aを2026年に1口6000円、2027年に1口8000円で買い、2028年に1口だけ売ったとしましょう。

 この場合、2口の平均購入単価は『<6000円+8000円>÷2』で7000円。2028年に1口だけ売ると、この7000円分の枠が翌2029年に復活します。

 2028年に実際にいくらで売却したのかは関係なく、『いくらで買ったか』『複数の口数を持っていたら、平均いくらで買ったか』が焦点です」(長谷川さん) 

投資信託の積み立てなどは特にそうだが、新しいNISAで同じ金融商品を何度も買った場合の枠の復活は、こうなる。「何年にいくらで買った」といった概念はなくなるのだ
投資信託の積み立てなどは特にそうだが、新しいNISAで同じ金融商品を何度も買った場合の枠の復活は、こうなる。「何年にいくらで買った」といった概念はなくなるのだ
東証執行役員の長谷川さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
東証執行役員の長谷川さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2023春夏号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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